サブアリーナ建設問題の争点

サブアリーナ建設問題の争点

 

令和6年3月19日(火曜日)にサブアリーナ建設問題を含む一般会計予算の採決が行われます。どの議員がサブアリーナ建設を含む予算にさんせいなのか、だれた、市民の声を議会に届けているかをご確認いただけましたら幸いです。

サブアリーナ建設問題の争点をまとめました。現在の財政がひっ迫した蓮田市にとって大きな負担となるサブアリーナ建設の問題点です、お知り合いの蓮田市議会議員で建設賛成のかたがいましたらぜひ、聞いてみてください。

サブアリーナ建設が及ぼす市民への影響として一番大きいのが借金の返済(約20年間)と維持管理コストの増加、そして多額の積立金取り崩しによって傷んでしまった財政基盤の立て直しです。今後の市の運営に影響を及ぼす非常に大きな問題です。

 

【問題点】

①     基本計画策定時より工事費が大きく値上がりしている。

②     費用は、基金の取崩しと借入が主な財源で国の補助金も学校などの施設に比べ少ない。

③     市議会議員有志で行った市民世論調査アンケートでは行政課題の中で市民の優先度は一番低かった。また、サブアリーナ建設の凍結を求める市民の会さんは2500名以上の方から「サブアリーナ建設凍結を求める署名」を短期間で集められました

④     サブアリーナを建設する前に先にやることがある。小中学校のトイレ洋式化率が他市に比べ低く、給食棟、体育館のエアコン設置も計画が決まっていない

⑤     パブリックコメントを本来の目的以外に使用している良くない前例をつくってしまった

⑥     サブアリーナ建設によって市の発展に貢献する。経済効果がある。と賛成派はいいますが、今後の維持管理費、借金などの市民負担の増大のほうがはるかに影響が大きい

 

それぞれ要点を説明させていただきます。

①     基本計画策定時より工事費が大きく値上がりしている。

令和4年に作成された「蓮田市総合市民体育館大規模改修及びサブアリーナ建設基本計画」ではサブアリーナ建設費は9億9442万円でしたが、令和6年3月議会に提出された予算額は13億6499万円となっており3億7057万円も上昇しています。

(パルシー大規模改修工事と合わせると7億7383万円の上昇)

 

②     費用は、基金の取崩しと借入で国の補助金も学校などの施設に比べ少ない。

パルシー大規模改修とサブアリーナ建設合算での予算となりますが、令和6年度予算11億430万円(国庫支出金3691万円、地方債6億6700万円、基金の取崩し等4億円一般財源39万円)他なっており、補助金3691万円、一般財源39万円それ以外は借金と基金取り崩しとなっています。

令和7年度予算では25億1920万円(国庫支出金1億6163.2万円、地方債13億3700万円、基金の取崩しなど10億2000万円、一般財源56.8万円)となっており国からの補助金比率は低くその多くが借入と基金取崩しとなっています。

この結果、国補助金が付かない環境学習館6.5億円と合わせ、市民にとって緊急度が低い新規ハコモノ建設に3年間で20億円以上を投じることになってしまうのです。

 

 

 

③     市の厳しい財政のなか市民にとって今後大きな負担となる

令和9年度以降は約20年をかけて毎年約1億円ずつ借金を返済していくこととなります。

また、コロナ禍で国からの交付金等を事業に充てることで積立できた公共施設等整備基金の多くを取崩すことになり、今後10年間で大きな公共施設の整備の予算不足が見込まれるなかでの基金取崩しと借金を行うことによって、今後の事業に大きく影響がでます。また、道路補修や樹木伐採などの市民要望に応えるための事業への影響も非常に大きいです。

令和7年度の積立金の確保率は同規模の他市に大きく劣り、実質財政収支も引き続き赤字となるなど蓮田市の今後の財政基盤を厳しい状態に導くのが今回の新規ハコモノ投資なのです。

 

④     サブアリーナを建設する前に先にやることがある。小中学校のトイレ洋式化率が他市に比べ低く、給食棟、体育館のエアコン設置も計画が決まっていない。

トイレの洋式化については令和5年末で55%と県内他市と比べても非常に遅れています。令和5年の猛暑を経験しているにも関わらず令和6年度予算では大型のスポットクーラーを2台設置するのみで、それ以外はこれから段階的に行う計画を立てる(後回しにすると言うことです)との事です。

児童、生徒が毎日使用するトイレの約45%が和式、指定避難所である体育館にはエアコンがなく、こどもの健康にとって重要な給食を作る給食棟にも一部の学校しかエアコンは設置されていません。子どもたちの未来にとってサブアリーナとどちらが必要かはあきらかです。

 

⑤     パブリックコメントを本来の目的以外に使用している良くない前例をつくってしまった。

パブリックコメントは広く一般から意見を募りその意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。しかしながら市は普段から意見提出の少ないパブリックコメントで賛成、反対を集計してその比率によって市民の多くが賛成しているように見せています。

また、このパブリックコメントは情報公開請求をした結果、まったく同じ内容(文字も)の意見を提出者の住所・氏名などのみ手書きで変えているものが多数含まれていました。 事業の内容に関して意見を求めているのに賛成・反対の意見が異常に多かった点、また、パブリックコメントの意見提出が他のパブリックコメントより桁違いに高かった点を考えると市が少数派を多数派に見せようとしているとの指摘が市民からなされています。

その一方で議員有志が行った第三者機関による市民世論調査(サブアリーナ建設に賛成30%、反対41%)は「一つの調査結果」と言うだけで、これに対する科学的反証は全く示されていません。

※市では駅利用者アンケートやエンディングノートアンケートなど多くのアンケートを市民にたいして実施していますが、サブアリーナに関しては事業に対して意見を求めるパブリックコメントしか実施しませんでした。

 

⑥ サブアリーナ建設によって市の発展に貢献する。経済効果がある。と賛成派はいいますが、今後の維持管理費、借金などの市民負担の増大のほうがはるかに影響が大きい。

サブアリーナの建設によって経済効果があると賛成派は言いますが、ハコモノに投資して経済を回すと言うのは一世代前の古い政治体質そのものです。校舎や体育館の整備など他の整備事業に予算を投入しても経済効果は同じように発生しますし、何よりサブアリーナを作ることによる「費用対効果」がスポーツ愛好家の方々しか向いていないため極めて限定的で小さなものになっています。

なぜ今サブアリーナが必要か、市はこの基本的なことについてきちんと説明ができていません。